2022.04.28 ZEBRAS

【翻訳記事】自分たちにフィットする資本の探し方。あるいは、ゼブラ的資金調達のヒント。


【翻訳記事】自分たちにフィットする資本の探し方。あるいは、ゼブラ的資金調達のヒント。のイメージ

こんにちは、Zebras & Companyの阪本菜です。本記事はVenture CapitalのRob TashimaがZebras Uniteの監修を受けて書いた記事を翻訳しています。Zebras Uniteから見て、なぜ今VCに変わる新しい資金調達の仕組みが必要なのかを語ってくれています。もちろんユニコーンやVCの存在を否定したいという意図ではありませんが、アメリカ・シリコンバレーから見たキャピタルの現状をお届けできればと思います。

ーーーーーーー

文:Rob Tashima 監修:Astrid Scholz (Zebras Unite) 

私の体型はジーンズを探すのに苦労する。足が短くて、ぴったりフィットするものを見つけるのは難しい。とても短いか長いか、キツすぎるか緩すぎるかで、自分に合うものを見つけた時は、一気に買ってストックしてしまうくらいである。そのため、今の流行はあまり好きでない。スキニージーンズは私に似合わないのだ。

私と同じようなことで困っている人は大勢いる。私たちの体の大きさ、体型はみな異なっており、特別性のとてもよいカスタムジーンズをオーダーしない限り私たちは皆、あまり種類のない中からサイズとスタイルを選ばなくてはいけない。

服が自分に合わない時には憤りを感じるが、それがとても気に入った時は袖を折り返したり、仕立て直したり、体重を落としたりして、どうにかサイズに合うように調整をする。しかし特別気に入っていなければ、サイズが合わないジーンズを着ることはない。同じようなことを考えをベンチャーキャピタルでしてみるとどうだろう?

制約的なキャピタル

全体の2%以下といった限られた起業家だけが ベンチャーキャピタルのエクイティ投資を受けることができる。理論的には、ベンチャーキャピタルからの出資を受けた起業家は出資を受けていない企業よりも最大30%早く事業を成長させることができるともいえる。しかし、今流行のベンチャーキャピタルには、紐(あるいはインディゴデニムの生糸)がついている。ベンチャーキャピタルはリスクが高く、投資家はそのリスクに見合うリターンとして投資額の10倍、20倍、30倍といった金額を求めている。

高い成長志向を持っているがそこまでの規模に達しない、あるいは達したくないと思っている高い成長志向のある企業もたくさんあるし、それらの企業に無理に何十倍もの成長を強いると会社の持続可能性や顧客への提供価値を損なう原因になってしまう。何十倍もの成長に達するような企業だったとしても、イグジット先は見えないかもしれない。スキニージーンズは履けないと分かっていながら履こうとするように。

ベンチャーキャピタルのレンズで世界をみることは、成長するための資金調達ができる会社の種類を狭めてしまうだけでなく投資家がリターンを得ることができる機会も狭めている。見込みがあるはずのビジネスがサポートを受けられず、投資家もサポートする機会を失うこととなる。そして投資決定に内在する地理的、また人種、年齢といったバイアスと混ぜ合わさるとなおさらのことだ。

新たなる潮流

このようなベンチャーキャピタルの現実は、現在の枠組みや最速での成長を目指す企業の小さなプールの外での今までとは違った戦略を使った投資の新しいやり方を見ようとする起点となった。

Village Capitalの関連ファンドであるVilCap Investmentsは、Novel GP、RevUp Capital、Adobe Capital、Candide Groupなど他の多くのアーリーステージの企業向け投資家と同様に、レベニューシェアの仕組み を導入している。また、この分野の先駆者であるIndie.vcはプロフィットシェアファンドで最近2回目の3000万ドルの調達を行い、Lighter Capitalは300のスタートアップに1億5000万ドル以上をレベニューベース型の仕組みを使って資金提供している。

それだけでなく投資家たちは場所作りにも取り組んでいる。2018年だけでZebras UniteとKauffman FoundationはAlternative Capital Summitを開催した。Transform FinanceやLighter Capitalが株式投資以外の資金提供の仕組みについて調査した報告書を発表したり、Candide Groupがイグジットの仕組みに関するワークショップを開催したり、Novel GPが投資家のためのレベニューベース型ファイナンスのワーキンググループの立ち上げを主導したりした。

多くの活動がなされている中、未だベンチャーキャピタルを超えた枠組みとは何かについては、どういったタイミングが適しているのか、どんなビジネスがフィットするのか、どこで起業家は探すことができるのか、投資家はどう展開するべきかなど、多くの疑問が残っている。

そのためにVillage CapitalとZebras Uniteは、リターンにおける期待値、投資規模、資本ニーズといった課題における最適解を探すために投資家、起業家と共同で投資に関する新しい言語作りに取り組んでいる。そのために分類法を開発しており、ゆくゆくは投資家、起業家がどういった種類の投資が彼らにとって最適なのかということだけでなく、どのように活用できるか、あるいはどこで見つけることができるかを理解することができるダイナミックユーザーマップを作ろうとしているのだ。

共通言語を作り上げるためには多くの実験と失敗がつきものだがうまく行くと信じている。重要なのは団結して人々のスタンダードを共通化させていけるようなコミュニティを作り、この領域を発展させていくための共通言語を作ることだ。

投資家として、私たちはなぜ投資するか、何に投資するかについては語るがどうやって投資するかについてはあまり語らない。私たちは今革新の時にあるのだ。

Rob TashimaはVillage CapitalのVP、イノベーションヘッドであり、Astrid ScholzはSpaeraのCEOでありZebras Uniteの共同設立者である。

ーーーーーー

終わりに

私たちZ&Cが活動する中でも自分たちにフィットする資金がなかなか見つからないという声をよく聞いています。Zebras Uniteが手がけているように、私たちもゼブラ企業向けの投資家を増やすこと、ゼブラ企業のファイナンススキームを作っていくことに取り組んでいこうと思っています。

Finance For Purposeや、LIFEという投資スキームなどすでに作り始めているものもあるのでぜひご覧ください。

今後もZebras Uniteの発信を日本語でお届けしようと思います。お楽しみに。

PROFILE

Sai Sakamoto

Z&C 学生インターン。米国のウエストバージニアウェズリヤン大学に正規留学している4年生。ゼブラ企業をはじめ、ソーシャルビジネス、デザイン思考に興味を持っている。