2021.12.17 ZEBRAS

ウニを育てて海を綺麗にするウニノミクス


ウニを育てて海を綺麗にするウニノミクスのイメージ

こんにちは。今回は、Zebras and Companyの田淵さんが​​磯焼けの原因になっている空ウニを有効活用したウニ畜養事業を通して磯焼け対策を促進、地域へ畜養事業という新たな産業を生むことで循環型社会、地方創生を目指すウニノミクスの創業者武田ブライアン剛さんと共に登壇した、RESETというプロジェクトのPodcast エピソード10の日本語訳をお届けします。このプログラムは「ゼブラ企業」の経営方法の体系化でZ&Cと協業しているStanford大学のVictoria Woo先生が運営しています。

Vic
こんにちは、RESET mindsetポッドキャストへようこそ。RESETは、Responsible Enterprises for Social and Environmental Transformation (社会や環境を変革する責任ある企業)を意味しています。私たちは変革を促し、専門家が持続可能な未来を築くために必要で、インパクトがあり、イノベーティブなコラボレーションについて学べるような場を提供したいと考えています。RESETでは、持続可能性という眼鏡を通して世界を見る革新的なビジネスモデルを持つ企業のストーリーを共有しています。組織の中で革新を起こすためのリーダーとなったり、何か新しいことを始めたいと思っている人をインスパイアしていきたいと思っています。

今日は、ウニノミクスの創業者である武田ブライアン剛(以降ブライアン)と、Zebras and Companyの創業者である田淵 良敬(以降ヨシ)さんにお話を伺います。ウニノミクスのミッションは、海の生態系を保護し世界のさまざまな分野に恩恵を与えることです。ブライアンは日本で生まれ、カナダで育ち、チリで学んだ後、現在はノルウェーに住んでいます。オランダ企業で働いている彼は、文化、民族、そして機会に関するユニークな洞察力も持っています。

彼は、適切な動機と明確な倫理観、そして創意工夫を用いて収益を上げつつ、磯焼けの原因になっている空ウニを有効活用したウニ畜養事業を通して磯焼け対策を促進、地域へ畜養事業という新たな産業を生むことでの循環型社会、地方創生を目指しています。

ヨシもまた、日本生まれの国際人で、アメリカ、ヨーロッパ、アフリカ、東南アジアで働き、学んできました。彼はZebras and Companyの共同創業者で、十年ほどのインパクト投資での経験を生かし、ゼブラ企業の投資やマネージメントをサポートしています。

そして私はヴィック・ウーです。スタンフォード大学でアントレプレナーシップ(起業家精神)を教えています。香港で生まれ、アジア、アフリカ、ヨーロッパで学び、働き、暮らしてきました。そして今、サンフランシスコのベイエリアでお話しています。

ウニノミクスとは

ブライアン
ウニノミクスとは何かというと、海洋生態系の回復を行う会社です。具体的に何をしているかと言うと、私たちは世界中の海藻の森を食い荒らしているウニを除去活動にインセンティブをつけて活動を促進させています。周りに海藻がなくなり空腹になってもウニは死にません。空になってもその場に残り、新たに生えた海藻を食べ続けてしまいます。その空になったウニを海から除去して、弊社の陸上の施設で畜養することで、わずか8〜12週間ほどで高級食材に変えてしまうのです。

こうして海底のウニの数を減らすことで、海藻の森を回復していきます。つまり、商品としてのウニを生産すると同時に、海の生態系を取り戻すことができるのです。

ウニノミクスの元となるアイデアは、2011年の東日本大震災の後に生まれました。漁業者から聞いた話によると、東北地方でウニの個体数が爆発的に増加し、漁業を支えていた基礎的な海藻の生態系が破壊されてしまったため、津波からの復興はより困難なものとなったそうです。ウニが繁殖し続け、海藻の森を食い荒らしてしまったからなのです。

そこで私たちは、自分たちが持っている技術をこの問題を解決するために使えないかと考えました。中身の詰まっていない海の環境を破壊するウニを、収穫して商品にしようと。そうすることで、海藻の海が戻ってくることに繋がると考えました。

Vic
素晴らしいですね。かなり高い科学技術の関わっているビジネスのようですね。どのようにしてこの会社を立ち上げたのですか?

ブライアン
私はノルウェーの水産技術を使って、日本の海洋生態系を回復できる可能性があることに気づいたのです。

それが私たちが研究開発の力を入れ始めたきっかけでした。かんたんにいえばノルウェーにあるウニに特化した水産養殖技術に関する25〜30年分の研究を受け継ぎ、そしてその技術を、東日本で直面していた生態系の危機に結びつけようとしたのです。

この技術に可能性があることがわかった後、三菱商事の100%子会社である日本農産工業株式会社と協力して、この技術をさらに改良していきました。そして、3年間改良を繰返し実用可能な技術になったのです。

そして、ノルウェーとデンマークにある陸上での養殖技術と、生物としてのウニの理解を結びつけて融合させることで、生態系を破壊する害のあるウニを約8〜12週間で世界有数の高級食材に変えることができるようになったのです。

私自身がウニの大ファンなので、自分でもかなり有益なビジネスだと思います。もしあなたが東アジア出身であればウニは大好きでしょう。

ウニノミクスの成功を支えたもの

Vic
素晴らしいですね。きっと奇跡のような出会いやつながりがあったのではないかと思います。どうしてここまで来たのかぜひ視聴者のみなさんとシェアできたらなと思います。

ブライアン
なるほど。少し哲学的な質問ですね。できるだけ細かくお答えしたいと思います。私は、多くの場合、チャンスが身を結ぶ際にはタイミングと偶然が非常に重要な役割を果たしていると心から信じています。志を同じくする人々、関心事、勢い、タイミング、状況、すべてが適切な時期に集まってきたのです。

最大の幸運は、初期の段階で、志を同じくする投資家が初めから参加してくれたことだったことだと思います。設立時から投資してくれているオランダの投資家たちは、一番初めに金額の書かれていない小切手を渡してくれました。その時になんといったと思いますか?

「君の提案は本当にクレイジーだ。本当なのか、それともデタラメなのか私たちにはまだわからない。だから額の書かれていない小切手を渡して一緒に確かめるんだ。」といったのです。そして、私が私たちがやりたいことに妥協することなく、たとえ失敗しても改善し続けることを認めてくれました。

そのおかげで、他の起業家にはない特別なプラットフォームを手に入れることができたのだと思います。さらに、国が25〜30年培ってきた養殖技術を提供してくれるということもに恵まれた環境にも恵まれましたね。

日本語をしゃべることができ、日本での仕事ができたことも役に立ったと思います。企業と協力してうまく市場に参入できるようになったことは、もちろん成功につながりました。

私自身が成功にもたらしたものもいくつかありますが、ほとんどは本当に運が良かったことと、周りに良い人がたくさんいたことだと思います。

どんどん拡大するウニ市場

Vic
興味深い経緯を話していただきありがとうございます。ここからは、ウニノミクスの実際のビジネスの部分に少し焦点を当ててみたいと思います。現在の市場規模はどのくらいですか?また、今後5年から10年の間に、どのくらいの規模に拡大できると考えていますか?

ブライアン
少なくとも国際連合食糧農業機関(FAO)の統計によると、ウニの市場は世界で約7万トンと推定されています。ピーク時には約10万5千トンありましたが、乱獲のため、基本的には7万トンレベルまで徐々に減少しています。

面白いことに、この統計によると全漁獲量のほぼ100%が天然のものなのです。天然物が主流の業界、特に高級魚介類の業界では、養殖が導入され始めると、養殖の方が多くなってきます。

牡蠣やアワビを見てみると、養殖物が天然物の市場を10対1から20対1の割合で上回ります。しかしウニの場合、現在の天然物の漁獲量は7万トンです。他の高級農産物や高級水産物と同じ比率で考えると、養殖の市場は1対10だと70万トンになりますよね?

実際に市場はそんな大きさになるのでしょうか?牡蠣の例をを見てみましょう。牡蠣市場は20万トンから500万トンに成長し、今でも拡大し続けています。そう考えるとウニの市場がこれからどこまで広がること期待できます。

ここ8年、9年のウニの価格は毎年記録を更新しています。そして2021年も40~70%も価格が上昇しています。世界中でウニ好きが増えていっているんですね。

Vic
まあ。かなり利益が出そうですね。

ブライアン
はい。売上は、目標通りとはいかないまでも、予算を大幅に上回っています。とてもうれしいです。

Vic
素晴らしいですね。ウニノミクスが成長を続ける市場に対応できるように競争に勝ち抜き、規模を拡大していくために何かしていることはありますか。

ブライアン
そうですね。簡単な統計で示すことができます。今日の海を見てみると、完璧なウニを1個捕まえて、今日のように食品としてのウニに加工するにあたっては、その完璧なウニの周りに99から999個の空の、売り物にならないウニがいます。

既存のウニ産業は業界全体が最高のものを選ぼうとすることで成り立っているのです。まるで、ダイヤモンドの原石を見つけるようなものです。しかし、私たちは、ただの石からウニを作り出すことができるということです。空のウニはどこにでもあります。数の問題なのです。

また、ウニが手に入るのは1年のうちでもごく限られた時期だけで、実際に手に入るのは2〜3ヶ月程度です。それ以外の時期は収穫できません。しかし蓄養によって、私たちは安定供給することができます。

私たちはこれが大きなビジネス上のキーファクターのひとつだと思います。ウニをメニューに載せるのは難しいと多くの飲食店は考えています。その理由は価格の変動が激しく、入手方法も限られているからです。悪天候に見舞われると、供給が突然なくなってしまうのです。それに対して私たちが特定の量を毎週、一定の価格で安定的に出荷・販売することができれば大きなチャンスなると思っています。

今後の事業展開

Vic
素晴らしいですね。ウニの需要は世界中にありますが世界各地で同じようなことができるようにと考えていますか?。

ブライアン
そうですね。もちろん私たちはウニノミクスのことをグローバルカンパニーとして位置付けています。研究開発段階においての調整は、日本だけに狙いを定めたものではありませんでした。検証テストは世界中で行い、私たちの技術が世界中で通用することを確認しました。

率直に言って、このウニの磯焼け問題は世界的な問題でもあります。だからこそ、私たちは世界中で海藻の森を回復させるために活動したいのです。

さらに、ウニの消費を地元で行うことで、商品を市場間で移動させる必要がないようにしたいのです。

世界の高級ウニの85%は日本に空輸され、その後もう一部がアジア各国に再空輸されています。そのためにかかるCO2排出量は莫大な量です。そこで、地元で生産し、地元で消費することで、近場で需要を満たすことができるのです。そのことは海の生態系の回復にもつながります。

私たちは今後も拡大を続け、そこで活動することが事業上、収益性が低い地域であっても、他のNPOやその他の支援団体と提携することで、藻場保全活動を展開していきたいと考えていきます。

ウニノミクスが環境に与えるインパクト

Vic
素晴らしいですね。広い意味での海藻の森の保護について話されてきましたが、ウニノミクスの環境に与えるインパクトについてもう少し詳しくお話しできますか。海藻の森とは何か、どのような影響を他の生態系に与えているのかお聞きしたいと思います。

ブライアン
そうですね。水の中の話なこともあり、あまり見られることもなく、気にされないのですが海藻の森は地球上に存在する最も重要な生態系のひとつです。

海藻の森があることで得られる生態系機能の恩恵を比較すると、熱帯林の約30倍、亜寒帯林の約50倍であり、海藻の森は社会や自然にとって非常に重要です。

しかし、その海藻の森では、人間がロブスターやカニ、魚などの美味しい捕食性の生物を乱獲した結果、生態系のバランスが崩れ、ウニに対する捕食者が十分でなくなり、ウニの大量増殖が起きてしまいました。

そしてあるポイントまで達すると、ウニが海藻の森を食べ過ぎて不毛の状態にしてしまい、そこに何も残らなくなるのです。何が問題かと言うと、ウニはそんな状態でも死なないと言うことです。そのため一度海藻の森を食い荒らしたのち、ウニは不毛の地でも何十年、種によっては何百年と生き延びることができるのです。

そこで、ウニノミクスでは、生態系を破壊しているウニのみをターゲットにしています。自然と平衡しているウニはそのままにしておくのです。彼らは素晴らしい存在であり、そこには彼らには役割がありますからね。ウニを悪者にしているわけではありません。特定の地域にウニが多すぎると言っているだけです。北カリフォルニアや南カリフォルニアが例ですね。海藻の森は消滅してしまいました。

しかし、私たちが知っているのは、適切な数のウニを取り除けば、海藻の森は信じられないほど速く成長し、海藻の成長速度がウニが食べる速度よりも速い限り、海藻の森は回復するということです。海藻の森は戻ってくるのです。私たちが行っているのは、そこに経済的なインセンティブを与えることです。

それが私たちのやっていることの本質です。私たちはウニを除去することで海の生態系修復のための資金を提供する経済エンジンなのです。

Vic
あなたのビジネスには海藻の森の修復という社会的プラスな側面があるということですね?

ブライアン
まさにその通りです。ウニの蓄養というウニノミクスの背景にある経済モデルは、中身のつまっていない空のウニを超高級品のウニに変えて販売するというものです。画期的なだけでなく社会的なんです。私たちが収益を上げれば上げるほど、環境が良くなるように意図的に設計されています。

20世紀も21世紀も、企業の社会的な関わりといえば、一般的にはネガティブなものだと思います。

公害や騒音、労働力の搾取は非常に難しい問題です。しかしウニノミクスはその点を改善することができます。私たちはポジティブな社会性を資本主義を通しもたらすことができるのです。これこそが、カナダのクイーンズ大学で財務・戦略を学んだ私の使命なのです。

私は、資本主義と市場の力を利用して、良いことをしたいと思っていました。なのでウニノミクスという組織にこの考え方を組み込んでいます。もしそれが組み込まれていないと、私たち人間は坂道を転がるように、悪いことをしてしまう傾向があるからです。組織内で明確な倫理的境界線とルールを設定していれば、本当に必要なプロジェクトだけを行うことができるのです。

Vic
もっと多くの企業が、ビジネスを行うことでポジティブな外部性とは何かを実際に考えるべきだと思います。

それでは次に、ヨシさんにブライアンさんにいくつか質問をしていただきたいと思います。

ヨシ
うん。そうですね。ありがとう、Vic。

ウニノミクスとゼブラ企業

Vic
ゼブラ企業の概念に馴染みのないリスナーの方にに少しでも知ってもらえるように、簡単な概要を教えてください。ゼブラ企業とは何なのでしょうか。

ヨシ
ゼブラ企業とは、5年ほど前の2016年に、アメリカ西海岸で生まれたコンセプトです。基本的には、社会的インパクトを追求し、典型的なユニコーンや、ベンチャーキャピタルの世界とは異なる成長方法や異なる目的を追求する企業を表現するコンセプトです。私たちはこれらの企業を「ゼブラ企業」と呼んでいます。

Vic
ありがとうございます。それで質問お願いします。

ヨシ
​ブライアン。あなたはウニノミクスがゼブラ企業だと言ってくれますが、なぜゼブラ企業だと思いますか?

ブライアン
私はゼブラ企業のコンセプトにとても共感したんです。私たちはユニコーンとかペガサスとか、投資業界が好きでレッテルを貼る、株式市場で神話上の数字を出すような、かっこいい名前の動物の話ではありません。

この地球にとって何が本当に実用的なことかどうかはわかりません。だから、もし私たちが何かの動物と比較されるとしたら、私は現実にリアルな動物と結びつきたいと思ったのです。シマウマが群れで生活するように仲間で課題解決するというメタファーも気に入っています。

ヨシ
ゼブラはユニコーンとかの動物と比べてリアルだからと言われましたが、もう少しお聞きしていいですか?あなたにとってリアルとはどう言う意味ですか?

ブライアン
そうですね。私にとってリアルとは、実際に目の前で起きていることを思い浮かべると思います。

デジタル革命によって、膨大な量の価値が創造されましたよね。情報やその他いろいろなものがのものが。情報やAI、そういったものが私たちの生活を助けてくれる時代に生きていることは、とても幸せなことです。

しかし、原子で構成されている世界では、物理的にも物事が変化しているのです。何かしらが現実世界でも起き続けなくてはなりません。

私が知る限り、ウニノミクスは利益を生み出しつつ、実際に海洋生態系を保護することができる数少ない企業のひとつです。もし陸上の生態系を回復させようとすると時間もお金もかかる非常に難しいことです。

我々は、市場で利益を得ながら海藻の森を元の状態に回復することができます。陸上で同じ規模のインパクトを与えるには30年かかるかもしれません。特にカリフォルニアなどで成長速度が早い海藻であれば種類によっては1日に2フィート(約60cm)まで目の前で物理的に成長するんです。

これは地球にとってとても実用的で実現可能、つまりリアルなことです。私たちにとって株式市場で大きな評価を得ることが目的ではありません。実際に物事を成し遂げることが重要なのです。だから私はゼブラ企業に深く共感しています。

ゼブラ企業について、もうひとつコメントさせてください。ゼブラ企業のコンセプトとウニノミクスが関連するもう1つのポイントは、会社をパブリックにすることに関する考え方です。会社を上場することで、少なくとも紙の上では、一夜にして金持ちになるという話や賛美がたくさんありますよね。しかし、私の目標はそこで終わるものではないと考えています。確かに、様々なメリットがあることはわかるのですが、目的ではないはずです。それは何か他のものを達成するための手段に過ぎないのです。

ヨシ
全く同感です。おっしゃるように意味や目的は、企業にとって非常に重要なことだと思います。たとえあなたがユニコーン企業であっても、それはおそらく非常に重要な要素だと思います。最後の質問になりますが、長期的に見て、IPOや流動性などのイベントではないとしても、あなたの会社にとってのゴールやあるべき姿は何ですか?

ブライアン
私たちの目標は、投資家に適度なリターンを与えながら、沿岸の生態系の回復に大々的に貢献することです。ミッションを達成することだけでなく、利益も重要だと考えています。利益がなければ、持続可能とは言えませんからね。しかし、私たちが求めているのは適正な利益です。そして、私たちが行っている本来の回復を超えた余剰分があるとすれば、私はむしろ、生態系を回復させるためのより良い畜養方法の研究に継続的に投資し、より持続可能な漁業へ向けた取り組みを後押ししたいです。

そうすれば、回復した生態系が再び乱獲されることはないでしょう。ウニノミクスはしばらく必要とされることとなるでしょう。その時にはもしかしたら、私ではなくもっと有能な人が引き継いでいるかもしれません。しかし、収益性と回復性が両立するような、回復型のベンチャー企業を持つというアイデアは、私が関わりたいと思うタイプのベンチャー企業だと思います。

これからウニノミクスを通じて資本主義と生態系の回復を目指すことは両立するということをは通用するということを証明する可能性が最も高いと思われます。だから、チームや投資家の皆さんと一緒に頑張っていきたいと思っています。

ヨシ
ありがとうございます。

Vic
このインタビューで私が聞き逃した質問はありましたか?

ブライアン
持続可能性について改めて話したいのですが。「あなたはサステナブルな漁業、あるいは食糧生産についてどうお考えですか」と聞かれると「サステナブルであることは良いことだ」と答えが返ってくるのが一般的です。

産業革命以降、私たちは自分たちで自分たちを苦しめる状況を作ってしまったので、サステナブルであることだけで十分ではないと思っています。

私たちがすべきことは、すでに自分たちで作ってしまった苦しい状況から抜け出すための、回復(リジェネレイティブ)のための別の方法を考えることだと思います。地球上の人口は増え続けています。消費量は増え続け、供給量は減り続けているのです。食糧安全保障やその他の問題に関しては、別の方法を考えなければなりません。私たちは消費者として、ただサステナブル性を高めるだけでなく生態系回復も求めていく必要があるのではないでしょうか。

例えばウニノミクスの畜養ウニのように、私たちが行う購買決定によって食料システムや生態系を回復させられる製品があることを消費者にもう少し時間をかけて考えてもらいたいと思います。現在のサステナビリティの軌道は、もし私たちが17、18世紀ように人口はずっと少ない、大規模な漁業技術もない時代であればおそらく問題なかったでしょう。しかし、私たちはその範囲を超えて漁獲してしまいました。そして、私たちはその能力をさらに高めています。ここ数年は、過去100年よりも指数関数的に悲惨な状況になっています。このような状況を考えると、私はサステナブルなだけでは不十分だと思います。だからこそ、生態回復型の事業を追求しないと、いくらたっても掘り続けてしまった穴から抜け出せません。

未来の解決策としてとして、回復型(リジェネレイティブ)シーフードや回復型漁業のあるべき姿を示し、私たちが生き生きと暮らせるように、そして地球が燃え尽きることのないようにしたいのです。

Vic
素晴らしいですね。ノルウェーから参加してくださったブライアンさん、東京から参加してくださったヨシさん、本当にありがとうございました。海藻の森の話、ポジティブな外部性からゼブラ企業とは何なのかまで、実にさまざまなトピックをカバーしました。ありがとうございました。

PROFILE

Sai Sakamoto

Z&C 学生インターン。米国のウエストバージニアウェズリヤン大学に正規留学している4年生。ゼブラ企業をはじめ、ソーシャルビジネス、デザイン思考に興味を持っている。