2022.01.04 ZEBRAS INSIGHT

ゼブラ経営の社会実装に向けて 〜Zebras and Companyが2022年に取り組むこと〜


ゼブラ経営の社会実装に向けて 〜Zebras and Companyが2022年に取り組むこと〜のイメージ

 新年、明けましておめでとうございます。

 2021年は、多くの方々のサポート・支えがあり、3月にZebras and Companyを創業することができました。

 創業から約10ヶ月、2022年を迎える節目にあたって、お世話になっているみなさまへの報告を兼ねて、2021年の簡単な振り返りと2022年の抱負を書き記しておきたいと思います。

6月 リリースの反響

 Zebras and Companyは、インパクト投資業界に身を置きつつ、その進化を模索していた田淵さん 、従来の金融の仕組みを拡張できると思っていた元VCの陶山さん、そして、事業会社の立場から経営と資本の方向性の一致が重要だと感じていた阿座上さんが出会うことによって生まれました。

 2019年より、私たちと同じような問題意識を持ったZebras Uniteのムーブメントと呼応する形で啓蒙活動を始めていましたが、単なる啓蒙活動だけでは足りず、事業・ビジネスとして、解決策を示していかないといけないということを感じて2020年秋から本格的に資金調達活動を始めました。

 最終的に、5者(社)の方々からの支援を得て、2021年3月に会社を設立、6月下旬にプレスリリースを発信して、本格的に活動を開始することができました。

 プレスリリースによって、経営者、投資家、政府関係者、自治体の方々など、さまざまな方からお問い合わせをいただきました。

 その中でも、特に最初に反響があったのは地方の方々です。

 地方では、短期間のうちに数千万円、数億円、数十億円と資金調達を重ねて上場していくような、いわゆる「ユニコーン型」の企業が少なく、

その代わり、長期的な視野を持って地域のステークホルダーに貢献することを目的とし、事業を通じた雇用の創出、取引先への還元を重視する企業が多いこと、そして、そうした企業に対する資金・支援が足りていないという問題意識を抱えている方から、数多くご連絡をいただきました。

9月末 資本と経営と社会的インパクトを一致させるためのサポート事業『Finance for Purpose』の開始

 プレスリリースの反響で、特に、資金調達、財務戦略のあり方について問い合わせをいただくことが多かったため、既存の資金調達・金融の仕組みにマッチしていないと感じるような方に向けた“Finance for Purpose”という取組みを9月下旬に発表しました。

 “Finance for Purpose”は、既存の資金調達の選択肢から盲目的に手段を選ぶのではなく、何のために自分たちの事業はあるのかというPurposeを整理した上で、それに即した資金調達、資本政策、財務のあり方、合意形成のあり方の整理をサポートする取組みです。

 9月下旬の“Finance for Purpose”の発表と前後して、地方以外の方々からも、同様のご相談をいただくようになりました。

そのうちの一つが、新興国で事業に取組む企業です。新興国では、一人あたりGDPが日本に比べて低いため、新規事業を始めても日系企業・日本人が求める利益水準までなかなか到達しません。

 一方で、成長率が極めて高いことから、長期的観点からは経済的にも有意義です。長期的な果実を得るためには、一人あたりGDPが低いうちから事業基盤を作り、ブランド、ノウハウ、相手国の人・企業・政府との信頼関係などの無形資産を長期の目線で構築することが重要です。

 その他、テクノロジーを生かした事業領域でも、VCの対象になりづらい長期の事業開発が必要な企業や、

「利益を最大化し、時価総額を最大化していく」というVCや金融市場のあり方に違和感を感じているハイテク企業からの相談も増えつつあります。

 多くの方々のサポートにより、2021年は大変充実した1年になりました。

(株主をはじめ、支えていただいた方々には、 ただただ感謝しかありません。)

2022年の取り組み

 2022年は、私たち自身が、より多くの経営者・投資家などをサポートしていきたいと思っています。

具体的には、元々のZebras and Companyの趣旨を踏まえ、まずは、投資活動を加速していきます。(既にいくつかの経営者とお話しており、2022年の早い段階で公表できればと思っています!)

また、私たち自身で投資する企業以外でも、Finance for Purposeとして、社会的に意義がある事業に取組む企業の資金調達をサポートしていきます。

くわえて、昨今、ゼブラ投資に対して関心を持つ金融機関、事業会社、自治体、フィランソロピーの方々からも問い合わせをいただいています。

 2022年は、経営者・企業側に加えて、「投資」という手法をレバレッジにして、自分たちの資金を社会に生かしていく(自分たちが掲げるパーパスを達成する手段として新しい投資手法を活用する)ことをサポートしていきたいと思います。

そして、最後に、これらの実務的な動きを踏まえ、私たちの活動をより社会に広げていくために、私たちの活動自体を体系化・理論化し、他の方が学びやすい / 真似しやすいようにしていきたいと思っています。

上で掲げたセオリー・オブ・チェンジ(どちらの方向に、どのように社会を変えていくかを示した図)で示すように、

私たちのミッションは、「ゼブラ経営を社会に実装する」ことであり、自分達の存続や拡大は事業の目的ではありません。

 自分達で投資・経営支援を行うのみならず、多くの方に、ゼブラ経営・ゼブラ投資を模倣していただくことを目指して活動していきます。

2022年も、優しく健やかで楽しい社会というビジョンの実現に向けて、ゼブラ経営の社会実装に邁進していきます。

ぜひ、ご支援・ご指導のほど、よろしくお願い致します!

【告知:2022年2月4日 開催!社会的インパクトと経済性の両立を目指す「ゼブラ企業」日本初カンファレンス【ZEBRAHOOD】】

 2022年、我々ゼブラアンドカンパニーは、「ゼブラ企業の社会実装」および「ゼブラ経営の理論化」に向けて多くの知を集め、実践する仲間づくりを始めます。社会課題の解決と経済性の両立を目指すための実践者や、それを目指す仲間と共に語り合う日を作ります。それが、「ZEBRAHOOD」です。
 イベント概要やお申し込みについては、下記の記事をご覧ください。
 
 みなさま、ぜひご参加ください!


PROFILE

ゼブラ編集部

「ゼブラ経営の体系化」を目指し、国内外、様々なセクターに関する情報を、一緒に考えやすい形に編集し、発信します。