2021.09.28 ZEBRAS INSIGHT

Finance for Purpose 〜自分たちの「色」のお金を集めよう〜


Finance for Purpose 〜自分たちの「色」のお金を集めよう〜のイメージ

 こんにちは。ゼブラアンドカンパニー共同創業者の陶山です。
 本日2021年9月28日に私たちは新しい事業「Finance For Purpose(F4P)」という新事業をリリースしました。この記事ではその事業に至った背景を私の言葉でお伝えしたいと思っています。

 Zebras and Companyは、6月21日に営業開始をリリースしました。そのプレスリリースを見て、初めての方、ご無沙汰している方、活動を注視していただいていた方など、多くの方からご連絡いただき、この3ヶ月間、様々な方のご相談に乗ってきました。

一定の成果を生み、さらなる成長のために、目指す方向性とマッチする資金調達を模索する起業家。
継承した企業の資産を生かし、第二創業に挑戦している後継ぎ経営者。
投資事業を行いつつも、既存の投資手法へのフラストレーションを抱えている投資家。

 想像以上に多様な方々からの問い合わせをいただき、同じような問題意識を持っている方が多くいることを改めて実感しました。そうした相談を振り返っていると、金融緩和によって「金余り」と言われる現在において(そして、実際に、資金が余っている領域があるにもかかわらず)、「あるべきところに、あるべきお金が流れていない」という現実に気づきました。

 私自身、投資に関わり、金融を学ぶまで知りませんでしたが、実は、お金には「色」があります。お金の出し手の思いや、仲介者の意図やスキル、そのお金が通ってきた道のり。そうした様々なものが影響して、そのお金につく「色」が決まります。そのお金の「色」は視覚的に見えるわけではありませんが、「株主」などの立場として表れたり、契約書として具体化したり、出資者と企業・経営者との関係性として表れたり、形を変えて、現実のものとして現出してきます。スタートアップの資金調達で支配的な地位を占めるVCも、中小企業においてほぼ唯一の選択肢となっている金融機関からの融資も、数多くあるお金のうちの一色でしかありません。

 今回、多くの方々の相談に乗っていて、そうした「色」を見ずに、無理にお金を集めようとしたり(実際に集めてしまったり)、そもそも自分が探している「色」のお金がないと資金調達を諦めてしまっている人がいることも知りました。
(早期の上場と時価総額の向上のみを求めてくる投資家と相性が合わない起業家、関係者の理解を得ないままに短期的な収益化を求められる社会起業家、非常に有望な事業計画を立てているが、新しい取組みを恐れる金融機関によってブレーキがかけられている2代目経営者など、多様な背景を持った方々から相談をいただきました)

 私たち自身、自分たちの思いと「色」が合うお金を集めることに苦労しました。投資先のゼブラ企業のことを考えると、既存のVCファンドのように回収期限を決めない方が良い。投資先が安易に上場や売却の道を選ばなくて良いように短期でのエグジットが必要のない形で投資したい。ゼブラ企業が目指す社会的インパクトにも考慮できる形にする。一方で、ゼブラ企業向けの資金供給が増えていくよう、他の投資家にとっても参考になる / 受け入れ得るものにできないか。

 100名を超える投資家や関係者と議論し、ほぼ全ての方々に断られながら、既存の金融手法や標準的な契約書に縛られることなく、ゼロから、資金調達の形を作りました。

 幸運なことに、思いを同じくする投資家にめぐり逢い、そして、自分たちの思いに沿った資金調達を行うことができたと考えています。

 解決したい社会課題と、取り組んでいる事業、そしてその事業のための資金。この3つの方向性を揃え、自分たちの存在意義(パーパス)を実現するための資金調達を広げていきたい。

 それが、Finance for Purposeという事業名に込めた、僕たちの願いです。

 自分たちの経験も踏まえ、あるべきところに、あるべきお金が流れるようにしていくため、現状で満足いく財務戦略・資金調達ができていない方の相談に乗っていきます。社会課題の解決のため、持続可能な地域のため、そして、優しく健やかで楽しい社会を作っていくため、
 新しい「色」のお金を探している方はぜひご連絡ください。

PROFILE

ゼブラ編集部

「ゼブラ経営の体系化」を目指し、国内外、様々なセクターに関する情報を、一緒に考えやすい形に編集し、発信します。