2024.11.19 ZEBRAS

「個」として自立し「群れ」として共創する。新メンバー採用にあたって、ゼブラアンドカンパニーで働く“リアル”を社員3名に聞いてみた


「個」として自立し「群れ」として共創する。新メンバー採用にあたって、ゼブラアンドカンパニーで働く“リアル”を社員3名に聞いてみたのイメージ

Zebras and Company(以下、Z&C)が、新メンバーの募集を開始しました。2021年の創業以来、4人目の社員を採用することとなる今回。事業や組織の現在地・未来像、採用したい人物像などは、先日公開した創業者2名(阿座上陽平・田淵良敬)の対談記事で語られています。

新メンバーを募集します!共同創業者2名と語る、ゼブラアンドカンパニーの現在地・仕事観・カルチャー・働き方のすべて

そこで、この記事では、社員のメンバーからみたZ&Cについて語ることで、会社のことを多角的に知ってもらえる機会をつくれればと思います。新卒でZ&Cに入社した阪本菜さん、2023年10月に入社した田中苑子さん、2024年5月に入社した玉岡佑理さんの3名から、業務内容や入社後に感じた組織カルチャーなど、Z&Cで働くリアルを聞きました。

興味関心をもとに、自ら手を挙げてプロジェクトを担当する

——最初にみなさんの簡単な自己紹介と、具体的な業務内容について教えていただけますか?

田中苑子(以下、苑子さん):

私は、事業会社での新規事業の立ち上げ、コンサルティング会社での経営支援を経て、2023年10月に2人目の社員として入社しました。担当している業務は大きくわけて2つあり、1つは、大企業も含めたゼブラ企業の新規事業やCVC(コーポレート・ベンチャー・キャピタル)の立ち上げ支援です。阿座上さんや田淵さんとともに企業の打ち合わせに参加し、議題の整理やリサーチ、資料作成などを行っています。

もう1つは、地域のゼブラ企業や地域で起業を目指している方々のサポートです。長野県塩尻市にあるシビック・イノベーション拠点「スナバ」といった中間支援組織とともに、勉強会やプログラムづくりを進めています。こちらは、田淵さんに相談しつつ、基本的には私主導で会議設計や進行をしています。

田中苑子さん

——入社して約1年で、すでに自分でプロジェクトを動かしていると。続いて、菜さんお願いします。

阪本菜さん(以下、菜さん):

私は、高校生まで日本で過ごし、West Virginia Wesleyan Collegeでアート経営学とジェンダー学を学んだのち、2022年7月に1人目の社員として入社しました。現在は、コーポレートや採用まわりの発信業務を主に担当しています。

具体的には、Z&Cが監訳したゼブラ経営者向けのファイナンスに関する書籍『ファイナンスをめぐる冒険~それぞれのパーパスに適した資金調達はどうすればできるのか~』(英治出版)に関連する、動画やHPの企画、国内5箇所で行う出版イベントの企画などをしています。また、今後リリース予定の「インパクトレポート」の編集、採用広報業務を行っています。今年は6月に開催した大型イベント「ZEBRAHOOD 2024」の企画と進行も担当しました。

——この記事も菜さんの企画ですもんね。最後は、一番最近入社した玉岡さん(たまちゃん)。

玉岡さん(以下、たまちゃん):

今年の5月に入社した玉岡佑理です。前職までは、4年弱コンサルティングファームで働いたのち、事業会社で事業開発の経験を積んできました。現在は、苑子さんと同じく、大企業向けの新規事業立ち上げの支援を、阿座上さん、田淵さんと議論しながら進めています。

また、Z&Cの自社事業である投資事業にも携わっています。ゼブラ企業への投資方針を考えるにあたり、新しいファイナンスの仕組みについて自分自身も学びながら進めています。

左 阪本菜さん、右 玉岡佑理さん

——菜さんが「発信・PR」、苑子さんが「企業支援・地域支援」、たまちゃんが「企業支援・投資事業」とわかれていますが、役割分担はどう決まるんですか?

菜さん:

リソースに空きがある人が担当することもありますが、基本的には個々人の興味関心や意欲をもとに「手挙げ制」で分担しています。内発的な動機をもとに仕事に取り組むほうが、主体的に動けますし、成果にもつながりやすいですからね。

ゼブラ企業向けファイナンスの構造化や仕組みづくりが面白い

——働いていて、やりがいや楽しさはどのような部分に感じますか?

菜さん:

最近特に感じるのは、入社時から言葉としては聞いていた「ゼブラ企業向けのファイナンス」の骨格が、自分のなかで体系化され始めてきたことです。当時は「ファイナンスは目的ではなく、企業のありたい姿を実現するための手段」と言われても、すべては理解できていませんでした。しかし、『アドベンチャーファイナンス』のプロモーションや、インパクトレポートの制作に関わるなかで、「あの時、田淵さんや阿座上さんが話していたことは、こういうことか!」と、頭のなかで結びつくようになったんです。

また、それを外部に発信することで、周りから「すごく知りたかった」という反響もいただくようになりました。自分のなかでファイナンスの考え方が体系化されていくことや、周りの皆さんに好意を持って受け止めてもらうことに、面白みややりがいを感じています。

たまちゃん:

私も、ゼブラ企業に向けた新しいファイナンスの仕組みを考えるのが、楽しみのひとつですね。もともと、教育や児童福祉といった成果が出るまでに時間がかかる領域にお金が流れる仕組みをつくりたくて入社したんです。ファイナンスの知見が増え、アイデアの幅を広げながら、そこについて模索できることに面白みを感じます。

また、Z&Cはシステム思考で物事を考えているので、アイデアを出すだけでなく、それを仕組みに落とし込んでいくのを経験できるのもやりがいです。私自身、物事を構造化したり、システム的に考えたりするのが好きなのでワクワクしながら取り組んでいます。

苑子さん:

理想を理想のままにせず、仕組みにまで落とし込むことができるのは、Z&Cで働いてて本当に嬉しいところです。入社前に抱いていた「お金優位で動く経済システム」への違和感や、「人と自然が共生する社会になってほしい」という願いが、実現可能だと感じられる瞬間がたくさんあります。

たとえば、阿座上さんが“部活”としてやっている「森の社会的共通資本を考える会」では、外部の人も交えて山や森林の抱える構造的な課題を整理でき、解決に向けたアプローチが見えてきています。

また、Z&Cはメンバー5人と少人数ですが、それを遥かに超える多くの仲間と一緒に動けることも楽しいところです。ゼブラの思想に共感する大企業やベンチャー、中間支援団体、メディア、行政や自治体の人たちが、所属やセクターを超えて共創している。その一体感を感じられるのも、Z&Cならではの経験だと思います。

個人テーマに基づく社外活動も積極的に。得た学びは還元する

——“部活”の話が出てきましたが、3名とも本業以外にさまざまな外部の活動をされていますよね。どんな取り組みをしていて、それがZ&Cの活動にどうつながるのか教えていただけますか?

菜さん:

昨年度第一回のカンファレンスが開催され、今年の8月に一般社団化したIMPACT SHIFT で事務局を務めています。現在は、来年3月に開催される社会課題の解決とインパクトの未来を模索する交流型カンファレンス「IMPACT SHIFT 2025」の準備をしています。もともと、Z世代とゼブラの架け橋になりたいと考えていたので、30歳前後の同年代のメンバーとともに、ゼブラやインパクトついて議論する機会が増えたのがありがたいです。

また、やってみてよかったところとしては、その場で私自身がゼブラをどう解釈しているのか、どう考えているのかを聞かれる機会が増えたことです。何度も語るうちに、徐々に自分なりの意見が磨かれて、Z&Cという会社のことも「共同創業者たちがつくった会社」ではなく、「うちの会社」「私の会社」と感じられるようになりました。

——「Z&Cやゼブラの代表」として外部で発信することを通じて、Z&Cやゼブラへの理解を深め、自分ごと化が進んだということですね。

たまちゃん:

私は今年の10月から、ソーシャルイノベーションに取り組む企業支援や、産学官民を巻き込むネットワークの形成、企業と公的機関とのマッチングを支援する「京都市ソーシャルイノベーション研究所(SILK)」のメンバーとして活動しています。学生時代に京都に住んでいたこともあって、京都のために何かできればと思っていたんです。

活動としては、京都以外の地域にもSILKを展開していくにあたって、まずは東京での認知を広げていく発信を行っています。その過程で新しい出会いがあれば、それはZ&Cの仕事にもつながってくると思います。入社して半年も経たないなかでキャパシティ的に両立できるか迷いましたが、社内で相談させていただきながら、最終的には「やってみたい」という気持ちを大事にしてスタートすることにしました。

——それぞれ個人のテーマを持ってやられているんですね。苑子さんはどのような活動を?

苑子さん:

「人と自然の共生」が個人テーマなので、毎週のように山や森に行って、フィールドワークをしています。昨年は、greenzが開催する「リジェネラティブ デザイン カレッジ」にも参加して人と自然がともに再生していくリジェネラティブな社会の作り方について学んできました。また、WWFジャパンが開催している次世代環境リーダー向け事業支援プログラム「Base for Environmental Entrepreneurs」の運営事務局としての活動もしています。外で学ぶことで、自分の学びにしつつ、そこからZ&Cに還元できることを見つけていきたいと思っています。

人間関係を大切にしながら、群れとしての集合知をつくる文化

——ゼブラという共通の世界観がありながら、個々人で別々のテーマにも取り組む。それが、Z&Cという会社やゼブラに広がりをもたらせているのかもしれませんね。

苑子さん:

そこがZ&Cらしさのひとつだと思います。一人ひとりがテーマを持っていて、ただ、それをひとりで追求するのではなく「群れ」でやろうとしている。「個として自立しながら、群れとして共創する」という考えが根付いているんです。

これは、ゼブラ企業の経営支援の場面でも同じことがいえます。支援先の御用聞きになるのではなく、支援先の実現したい未来と、Z&Cの実現したいゼブラの世界観を、一緒に叶えにいくような共創型伴走のスタイルを意識しています。

——他にも、ゼブラらしいカルチャーにはどのようなものがありますか?

菜さん:

「らしさ」でパッと思いついたのは、家族を大切にするということです。スタートアップというと、「家族を犠牲にしても仕事に打ち込む」イメージがあるかもしれません。しかし、田淵さんと阿座上さんからは、パートナーやお子さんのことを本当に大事にしているのが日々の言動から感じられて、それが私は好きなんです。家族って一番近い人間関係ですから、そこを創業者が大事にしていて、そして周りの人たちにも愛を持って接しているのは、安心できる要素のひとつです。

菜さん:

あとは、社内で共有し合う書籍のテーマが、ビジネス以外に人文学や社会学、古典、アート、ときには中国の歴史書と幅広いのも、ひとつの特色かなと思います。既存のビジネスフレームを学ぶだけでは、新しい経営やファイナンスの在り方を構想するのは難しい。リベラルアーツ的に、様々な分野について興味を持って学び、そこから発想を得ようとしているのも、Z&Cらしさですね。

——共有された書籍をまとめた「Z&Cの社内Books」みたいなものがあれば、見たい人いるかもしれませんね。

苑子さん:

たしかにそうですね。書籍に限らず、Z&Cは社内外のメンバーとの情報共有が活発です。社内メンバーと支援先のゼブラ企業が入っているグループチャンネルがあるんですが、そこでは日々情報交換が行われています。投資先や支援先から「ゼブラファミリーに出会えたことが良かった」と言ってもらえることも多く、ひとりではない仲間の心強さを感じながら、集合知を蓄えていけるのがZ&Cらしさですね。

柔軟性、主体性、リベラルアーツな思考。Z&Cを楽しむための資質

——人との関係性や群れとしてのあり方を大切にされているということですが、個人としてはどのような資質が求められる環境だと思いますか?

たまちゃん:

ひとつは「柔軟性」です。そもそも、ゼブラという概念自体にまだ正解がないですし、取り組む社会課題も複雑で、ひとつの価値観やソリューションで解決するものではありません。ですから、状況や向き合う課題に応じて、経営支援の方法も、たとえば提案するファイナンススキームも、柔軟に変えていかないといけない。社内においても、スタートアップらしいスピード感で物事を進めるための柔軟性は大事だと思います。

菜さん:

あとは「主体性」ですね。メンバー5人ながらプロジェクト数は非常に多いので、一人ひとりに任される部分が大きくなります。阿座上さんや田淵さんの指示を待つのではなく、自分でどんどん動いていかなければ、プロジェクトは前に進みません。今になれば当然のことですが、入社当初から進行管理やタスク管理を自分でしないといけなかったのは、結構大変でした(笑)。

また、とにかく自分の意見を求められることが多い環境だと思います。「どう思いますか?」と聞くと、「菜さんはどう考えている?」と返ってくる。自分が主体者として進める、というスタンスは厳しく求められていますね。

週に1回のMTGを除いて基本的にはリモートで仕事を進めているので、そういう意味でも、自分から主体的にコミュニケーションをとっていく姿勢は大事だと思います。

——今の点に関して、事業会社やコンサルの経験を持つ苑子さんはどう捉えていますか?主体的に仕事を進めるというのは、前職でも求められたことかなと思います。

苑子さん:

そうですね。違いがあるとしたら、事業会社での私は「自社をどうするか」という視点で考えていたのですが、Z&Cでは「社会をどうするか」という視座から考える必要があるところです。ビジネスやファイナンスのことだけでなく、社会や時代の流れについて学んでいかなければ、阿座上さんや田淵さん、ゼブラ経営者のみなさんと対等に議論することはできないと感じます。

菜さん:

Z&Cってリベラルアーツカレッジのようなところがあるんですよ。ビジネスだけに興味があったり、既存のビジネスフレームだけで考えようとしたりはしない。ビジネスの視点に加えて、社会や歴史、または科学や技術といった領域に興味を持ちながら、世界を捉えようとする人が楽しめる環境だと思います。

たまちゃん:

自分なりの課題感や興味関心をもっているほうが、結果的に、ゼブラの思想や世界観にも共感しやすいですしね。ゼブラのなかの特にこういう領域を探求したい、こういう課題を解決したい、というものがある人のほうが、楽しんで働けるかなと思います。

個人の専門性を磨きながら、ゼブラ経営人材を輩出できる組織へ

——最後に、3名のこれからの目標や、Z&Cをどのような会社にしていきたいかを教えてください。

菜さん:

Z&Cの今後について、最近阿座上さんがよく「もう一段深く潜っていく」と話しています。「ゼブラ企業の推進」という言葉が国策にも入り、中小企業庁との実証事業も始まり、ゼブラの認知は高まってきました。この追い風を逃さないように、さらにレバレッジをかけて、会社として次のステージに進みたいというのが、今回の採用の目的でもあります。

これから人数が増えたとしても、「自分が何をやりたいか?」という心の声に耳をすませながら、対話を通して「群れ」としてそれを実現していく。そんな在り方を忘れない組織でいたいと思います。

たまちゃん:

ゼブラ経営をさらに広げるためには、実現できる人材を増やしていくのが必要です。採用もそうですが、私自身もできることを増やして、専門性を磨いて、事業に貢献していけるようになりたいです。そのために、目の前のことにきちんと取り組むことはもちろん、たとえば「10年後にどういう自分でありたいか」「Z&Cやゼブラ業界でどんな立ち位置でいたいか」を想像し、そこから逆算した取り組みもしていければと思っています。

苑子さん:

個人としては、たまちゃんと同じで、自分のありたい姿を明確に描きながら、強い「個」として成長していきたいと思っています。そして、やっぱりそれを仲間と一緒に取り組むことで、組織としてもいい方向に成長していきたいです。社内で「Z&Cがラボ的な立ち位置になったら面白いね」という話をしたこともあるんですが、ゼブラの思想を持つ人が集い、知見や経験をシェアしながら、ゼブラ経営人材に成長していく。そんな人たちをたくさん輩出できる会社になっていきたいと思います。

▼直近のイベント
ゼブラ企業と0次産業の可能性:資本主義を次に進めるビジネスリーダーとは? presented by WORK for GOOD

▼採用資料
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▼応募フォーム
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PROFILE

Fumiaki Sato

編集者・ライター・ファシリテーター。「人と組織の変容」を専門領域として、インタビューの企画・執筆・編集、オウンドメディアの立ち上げ、社内報の作成、ワークショップの開催を行う。趣味はキャンプとサウナとお笑い。