2024.11.15 ZEBRAS
新メンバーを募集します!共同創業者2名と語る、ゼブラアンドカンパニーの現在地・仕事観・カルチャー・働き方のすべて
Zebras and Company(以下、Z&C)は、誰もが社会課題解決と持続的で健康的な企業経営に挑戦できる「優しく健やかで楽しい社会」を目指し、ゼブラ企業への投資・経営支援および、ゼブラ的な経営やファイナンススキームの理論化を行っています。
この数年で「ゼブラ企業」の概念は広がりを見せ、日本政府による「骨太の方針」には、2023年度から2年度にわたり「ゼブラ企業の推進」が明記されました。また、中小企業庁とともに議論を進めてきた、地域の社会課題解決と経済性の両立を目指すローカル・ゼブラ企業の創出・育成を目指す「令和6年度ローカル・ゼブラ推進政策」(*1)も、今年からスタートしました。
政治や行政まで巻き込みゼブラ企業の社会実装を進めてきたZ&Cは、この度、新メンバーの募集を開始します。事業の進捗に合わせて採用をしてきた同社は、今回どのような未来に向けて、どのような仲間を募集するのでしょうか。
創業時からパートナーとして取材をしてきた筆者(佐藤)が聞き手となり、Z&Cの現在地やカルチャー、仕事における哲学、採用する人物像について、共同創業者の阿座上陽平さんと田淵良敬さんと語りました。
*1 正式名称は、令和6年度「地域の社会課題解決企業支援のためのエコシステム構築実証(地域実証事業)」
社員のメンバーからみたZ&Cに関しては、新卒でZ&Cに入社した阪本菜さん、2023年10月に入社した田中苑子さん、2024年5月に入社した玉岡佑理さんの3名が、業務内容や入社後に感じた組織カルチャーなど、Z&Cで働くリアルを語っています。そちらも合わせてご覧ください。
「個」として自立し「群れ」として共創する。新メンバー採用にあたって、ゼブラアンドカンパニーで働く“リアル”を社員3名に聞いてみた
ゼブラ企業向けの「ファイナンス」を強化する1年に
佐藤: 一年ぶりの採用募集ということで、Z&Cの事業や組織について聞いていきたいと思います。最近のゼブラの動向や注力領域から教えてもらえますか?
田淵: インパクトの大きな取り組みといえば、今年の5月に始まった「ローカル・ゼブラ推進政策」があげられます。昨年から中小企業庁の研究員の一人として、事業や地域づくりについて議論を進めてきたものが、ようやく形になりました。6月には112もの応募から採択事業20社が決定。僕自身も、地域課題の構造分析や社会的インパクト戦略の策定・見直し等を支援する“伴走支援者”を拝命しました。
また、経営支援においては、ゼブラ的な思想を持つ大企業(親ゼブラ)への支援・共創プロジェクトが増えてきました。ゼブラ企業向けの投資や、ゼブラ企業と共創して新規事業開発に取り組みたい大企業への伴走支援を行っています。
阿座上:
株式会社日建設計との共創型社会環境デザインプログラム「FUTURE LENS(フューチャーレンズ)」も、そのひとつです。詳しくは記事を読んでいただければと思いますが、日建設計の持つ都市開発・建築設計の強みを生かして、ローカル・ゼブラ企業が取り組む「社会課題の可視化」や「事業価値の体系化」を行うと同時に、社会課題の最前線に取り組むゼブラ経営者の深い知見や洞察から、未来の都市開発に活かせる新たな視点(FUTURE LENS)を得ることを目指しています。
佐藤: 大企業とゼブラ企業をつなぐ役割もされているんですね。投資事業のほうはどのような動きがありますか?
田淵: 創業から4社に出資してきましたが、今後さらに加速させたいと思っています。Z&Cにとっての投資事業は、ゼブラ企業への資金提供だけでなく、追従する投資家の増加や、ゼブラ企業向けのファイナンスのR&Dといった重要な意味を持ちます。Z&C自身の資金調達も検討しながら、引き続き取り組んでいきます。
▼投資先の株式会社陽と人と共創した投資スキーム
ゼブラ型投資スキーム「LIFE type1」の解説 〜上場を前提としない、投資家と一緒に成長を考えるための投資スキーム〜
佐藤: 行政との連携、経営支援、投資事業など幅広く活動されているので、初めてZ&Cを知った人からすると全体像が掴みづらいかもしれません。あえて、来年に向けて注力していくことをひとつ教えてもらえますか?
阿座上: 前提として、Z&Cの取り組みは、セオリーオブチェンジに記載したように「投資・経営支援」「協業(パートナーシップ)」「ゼブラ経営の理論化」「ムーブメント・コミュニティづくり」の4つに整理されます。それらすべてを進めることで、社会課題解決が加速し、長期的かつインクルーシブな経営が普及し、誰もが挑戦しやすくなる社会が実現すると考えています。
阿座上: その上で、来年力を入れていきたいのは、ゼブラ企業にとってボトルネックになることが多い「ファイナンス」の領域です。今年の12月には、ゼブラ企業向けのファイナンススキーム・投資ストラクチャーの考え方や事例を紹介する『ファイナンスをめぐる冒険~それぞれのパーパスに適した資金調達はどうすればできるのか~』(英治出版)を出版します。これは、社会性と経済性を両立させる事業の資金調達について考え始めるヒントになる一冊です。この本の出版をきっかけに、ファイナンスの理論化をさらに進めつつ、経営支援や協業などにおいても、ゼブラ企業のファイナンス面のサポートを強化していきたいと思います。
また、来年には、「ゼブラ企業のファイナンス」「ゼブラ的な事業開発や組織作り」「地域企業の在り方」などをテーマに、Z&Cが研究してきたものを発表するイベントも開催予定です。興味のある方は情報をお待ちいただければと思います。
「フェア」で「イノベーティブ」なファイナンススキームの開発に挑戦したい人を募集
佐藤: ゼブラ企業のファイナンスのサポートに注力しようとしているこのタイミングで、採用募集をオープンした理由を教えていただけますか?
田淵: 親ゼブラとの協業や、中小企業庁との実証事業開始などにより、ゼブラの認知度やモメンタムが高まっているタイミングだからこそ、会社自体も成長していきたいと考えたからです。これまで、メンバーの支えがありながらも、ほとんどのプロジェクトに、ファイナンスが強みの僕と、事業づくりやマーケティングに強みを持つ阿座上さんの両方が関わる体制でした。
それではどうしてもリソースに限界があるので、一緒にプロジェクトを推進できる仲間に加わっていただき、僕とその方、阿座上さんとその方といった新しい組み合わせをつくれるといいと思っています。
佐藤: どのようなスキルセットや経験がある方が理想ですか?
田淵: 事業づくりやファイナンスを一定のレベルで経験されてきた方ですね。ファイナンスを強化する方針なので、どちらかといえば後者に強みを持っている方がありがたいのです。ただ、いわゆる運用的なファイナンスではないので、事業に必要なファイナンスを組み立てる視点や経験を持った方が理想です。
佐藤: 金融・投資業界出身者のイメージでしょうか?
阿座上: そうですね。ただ、Z&Cが扱うファイナンスは投資だけではありません。社会的インパクトを追求する企業のために、融資や助成金、寄付なども組み合わせたソリューションを考えています。そうした背景から、特定のファイナンスの分野を専門的にやりたい人というよりは、それまでの経験や知識を活かして、新たなスキームやストラクチャーを生み出すことに興味がある人がぴったりだと思います。
佐藤: スキルセットもそうですが、ファイナンスの考え方や哲学においてもZ&Cとの相性の良し悪しがありそうですね。
阿座上: それは大切なポイントで、僕らは投資(支援)先とフェアな関係性であることを大事にしています。お金の出し手は、どうしても立場が強くなりがちですから。投資協議ひとつとっても、上から目線なコミュニケーションをとったり、自分たちに少しでも有利な条件をと考えていたりしたら、フェアな関係は築けません。
投資先の経営者と同じリスクを持って、事業を推進していくパートナーであること。そして、自分たちの利益を第一目的にせず、他のゼブラ経営者やこれから挑戦しようとしている人を後押しできるようなファイナンスの仕組みを発明することを重視しています。
自律的であり、遊び心も忘れない組織カルチャー
佐藤: 次に企業としてのカルチャーについても触れておきたいと思います。せっかくの対談形式ということで、勝手ながら、創業時から見てきた「Z&Cの組織カルチャー」を僕なりに言葉にしてみました。それをもとにお二人の考えを聞いてもいいですか?
阿座上: おお!面白そうだからやってみよう(笑)。
佐藤: ありがとうございます。言語化してみたZ&Cのカルチャーは、こちら(下記のリスト)です。創業時からお二人と関わってきた印象や、よく出てきた言葉をもとにつくりました。当てはまるものや追加したいものはありますか?
田淵: どれも僕らが大事にしたいと思っていたことなので、ちょっと驚いています(笑)。違和感がある項目はなくて、追加するとしたら「主体性」「自律」といった要素が入ってくるかなと思いました。
Z&Cが取り組んでいることには前例がないものが多いので、正解を求めたり、待ちの姿勢でいたりしたらうまく進めません。自分なりの仮説をもとに主体的に動けることが大切です。
阿座上: Z&Cでは人材育成の方針をまとめているのですが、そのテーマがまさに「自律」となっています。大きくわけて3段階の成長ステップを設計していて、「育成期」は新卒や若手が対象。まずはZ&Cの中にある仕事をきちんと実行できるようになってもらいます。「自律準備期」は、Z&Cの仕事を受けつつ、成果の出し方や働き方を自分から提案するようになる。そして「自律期」は、独立して仕事ができるレベルで、仕事も自分でつくるし、給与も自分で交渉するようになってもらいます。
今回募集しているのは、「自律準備期」から「自律期」に入りかけている方のイメージです。Z&Cの経営にも関わりつつ、プロフェッショナルとして腕を磨いていってもらいたいと思っています。
佐藤: 徐々に「Z&Cが提供するもの」が減り、「当人が掴むもの」が増えていく、その過程が自律のプロセスを象徴していて面白いですね。他に、先ほどのカルチャーのリストから気になったものはありますか?
阿座上: 全部当てはまると思いつつ、これもあったらいいと思ったのは「楽しむ」「遊ぶ」という要素ですね。Z&Cでは、仕事と遊びと学びをいっぺんにやるような働き方を実現できればと思っています。
社会的インパクトとビジネスを両立するのは大変なので、やっぱり楽しくないと続けることはできません。だから、仕事を楽しむ力も大切なんです。
佐藤: 阿座上さんは、どのように仕事に楽しみを見出しているんですか?
阿座上: 僕は施策を考えたり、戦略を練ったりすること自体が好きだから、すべての仕事がある種の「遊び」になっています。遊びというか、遊び心を持って取り組んでいるってことなんですけど。
今回の採用募集でも、メインクリエイティブをつくってみたり、それをパネルに印刷して登壇したイベントの会場に置いてみたりしました。どうすれば、自分も楽しみながら、周りの人にも楽しんでもらえるかを、よく考えています。このクリエイティブも採用候補者像からすると少し離れているかもしれないとも思いましたが、「カワイイは正義」だと思ってデザイナーのアイデアをそのまま活かさせてもらいました。
阿座上: あと、最近は自分の仕事を「ゼブラ企業の“推し活”」だと捉えています。仲間のゼブラ経営者がイベントに登壇するなら応援しにいったり、ビジネスのアワードにゼブラ経営者を推薦してみたり。イノベーションには、「始める人」と同じくらい「応援する人」も必要なので、そういう意味で推し活を楽しんでいます。
佐藤: 田淵さんの「楽しみ」や「遊び」も教えていただけますか?
田淵: 「投資は資産を増やすための手段」という考え方の投資会社や投資家から見れば、Z&Cの実践する投資は「亜流」や「オルタナティブ」に映るかもしれません。しかし、投資に「遊び」という言葉がふさわしいかはさておき、既存の枠組みではない考え方や手法を編み出し、実験を重ね、より良い形へと進化させていく——そのプロセスには、どこか遊び的な要素があります。
さらに、そうした考え方や手法が少しずつ広がり、共感するゼブラ経営者や投資家が同じ方向を目指してくれたり、政治や行政が協力してくれたりするんです。人や社会の意識が変容していく様子を見られることも、Z&Cでの仕事の大きな楽しみのひとつです。
スタートアップ経営と社会変革のリアルを味わえる環境
佐藤: 投資事業がメインの会社と比べれば、件数や規模は小さいのかもしれませんが、社会への影響度という意味では大きいということですね。ここまで、事業や仕事観、カルチャーについて聞いてきましたが、最後に働き方やZ&Cで働く体験について伺えますか?
阿座上: Z&Cの特徴のひとつは、会社の意思決定に全員が関われることです。毎月末実施する「コーポレートMTG」では、売上、収支、支出を全員で確認したり、社内の制度について議論したりしています。また、毎週実施する「テーマMTG」では、セオリーオブチェンジの話で出てきた「投資・経営支援」「協業」「ゼブラ経営の理論化」「ムーブメント・コミュニティづくり」の4テーマを、毎週1つずつ扱い、議論を進めています。
経営上の大きな判断は取締役会で決めることもありますが、基本的にその2つのMTGで意思決定する方針です。
また、基本的にリモートで働くことが多いので、リアルで集まる会議の時は「チェックイン」という、個人の心情も含めた現状を共有する時間をとっています。自律して自由な働き方を追求しながらも、メンバー同士の関係性は深めていきたいと思います。
佐藤: ゼブラ経営者に取材した際、「ゼブラの人たちは、言語化できていないモヤモヤにも耳を傾けてくれる」と言う方が多いんです。社内で日常的に感情や非言語的なものを扱う文化があるから、そうしたコミュニケーションが自然とできるのかもしれませんね。
田淵さんからも、働き方やZ&Cでできる体験について何か伝えたいことはありますか?
田淵: Z&Cは、全員が意思決定に関わりながら、事業展開のスピードとモメンタムを体感できるスタートアップ的な側面を持っています。加えて、企業、メディア、行政、銀行など多様なプレイヤーとの共創を通じ、早い段階から社会的な変化を生み出している実感を得られる稀有な環境です。この「スタートアップ経営」と「社会変革のリアル」を存分に味わいながら働きたい方に、ぜひ加わっていただければと思います。
佐藤: ありがとうございました。今後、採用に興味ある方はどのようにアクセスすればいいでしょうか?
阿座上: 詳細を知りたい方は採用資料をご覧ください。また、今後は採用イベントを開催する予定なので、興味を持ってくださった方はご参加いただければと思います。ゼブラ的な考え方に共感し、ファイナンスの仕組みを通じて世の中を変えていきたい方からの応募をお待ちしています。
▼採用資料
https://docs.google.com/presentation/d/1gfMdsjJEa_LbVzVDiTACw_D3u1W41PbYK3qHgzSKig8/edit?usp=sharing
▼応募フォーム
https://forms.gle/festBWHeVUwp9gTE6
PROFILE
Fumiaki Sato
編集者・ライター・ファシリテーター。「人と組織の変容」を専門領域として、インタビューの企画・執筆・編集、オウンドメディアの立ち上げ、社内報の作成、ワークショップの開催を行う。趣味はキャンプとサウナとお笑い。